体外受精
高度な技術を要する体外受精、
患者様の適確なサポートも行っています。
KLC(神奈川レディースクリニック)は、患者様の体調や状況、そしてご希望を尊重し、
ひとり一人に最適な不妊・不育治療を行うクリニック。体外受精についても、この姿勢は変わりません。
高度な技術や複雑な治療を要する体外受精では、患者様の身体的・精神的な負担が大きくなりがちですが、
KLCでは治療の各場面で適確なサポートを心がけています。
治療の過程で生まれる様々な疑問や悩みを気軽に打ち明けられる個別相談もありますので、
必要に応じてご活用ください。
体外受精とは?
体外受精とは、体外に女性の卵子を取り出し、パートナーの精子と一緒にして受精させ、 できた受精卵を子宮に戻して着床を促す治療です。
体外受精を行うケースとは?
タイミング療法や人工授精からのステップアップや、
体外受精でしか妊娠できないと判断された方(卵管性不妊や重度男性不妊など)
体外受精設備と管理体制
培養液の管理
培養液は、受精卵(胚)にとって移植・凍結に至るまでの間のほとんどを過ごす大切な環境です。受精卵(胚)の培養成績は、体外受精の成績を左右するほど体外受精を行う上で重要なポイントになります。そのため、培養液の選択と管理は、安定した培養成績を維持するために大変重要です。
当クリニックでは、最良の培養液を最良の環境で使用できるよう、Lot管理などの日々のQuality Controlをはじめ、様々な学会等で最新の知見を学んでいます。
培養室内の設備と管理
- 培養室内はヘパフィルターを設置して24時間空調管理を行い、オペ室と同程度の空気清浄度を保っています。
- 培養室の機器には、停電による運転停止を防止するための自家発電機を設置しています。また、受精卵(胚)を育てる培養庫は、温度・ガス濃度等のデータを24時間記録・管理しており、異常発生時には培養士に自動的に連絡が入るシステムになっています。
- 凍結して保存してある受精卵(胚)・精子は、施錠できる凍結タンク専用の部屋で安全に管理しています。
患者様の検体取り違い防止策
- 1人の培養士が1台の作業台で1人の患者様の検体(卵子・精子・胚)だけを扱うようにしており、検体の取り違いが起こり得ない状況で作業を行っています。他の患者様の検体が同時に同じ作業台に置かれることはありません。
- 作業を行う際には必ず2人の培養士により、作業内容や患者様のフルネームと固有の色をダブルチェック体制で確認しています。
最先端技術
「タイムラプスインキュベーター」導入
当クリニックでは、体外受精における全培養過程をタイムラプスインキュベーターで培養します。

タイムラプスインキュベーターとは?
タイムラプスシステムは、内蔵カメラと顕微鏡を備えたインキュベーター(培養庫)の中で、胚の画像を10分毎などの一定間隔で写真撮影を行い、その写真を連続で写すことにより動画のように見る技術です。これによりインキュベーターから胚を取り出さない、安定した培養環境での状態で観察を行うことができます。

タイムラプスインキュベーターのメリット
従来のインキュベーターでは、胚の発育状況を観察するのにインキュベーターから外に取り出し、顕微鏡下で観察する必要がありました。 しかし、胚にとって空気中にさらされるというのは、環境の整ったインキュベーター内とは異なり、ストレスがかかる環境です。タイムラプスインキュベーターを用いることで、胚の観察の際にインキュベーターから取り出す必要がなくなり、培養環境が向上します。

当院では、既にタイムラプスインキュベーターを受精確認時に限り導入しており、通常の定時の観察では見逃されていた受精卵をきちんと受精卵と判定することが可能となりました。その結果、左の図のように受精率が5%以上上昇しました。
今後は、全培養過程をタイムラプスインキュベーターを用いて培養することで、正確な受精な確認はもとより、さらに安定的な培養環境を提供することができるようになります。

通常の定時の観察では、胚発育のある瞬間のみを捉えることしかできません。
左の動画をご覧ください。
タイムラプスインキュベーターを使用することにより、インキュベーターを開閉することなく胚を連続的に観察することができ、胚の動的な解析が可能になります。



KLCでは患者様のお考えやご希望を尊重したうえで、
質の高い体外受精の提供を目指しています。
培養室には最高水準の技術と経験を持ったエンブリオロジスト(胚培養士)が常勤しており、採卵から子宮内に将来赤ちゃんとなる胚が無事に戻るまで、最適な環境を作っています。
常に技術を磨き、最高水準を保っています。
KLCのエンブリオロジストは、精子調整、精液検査、体外受精、顕微授精、胚移植、胚・精子の凍結、アシステッド・ハッチング(レーザー法)など最高水準の技術を持ち、日々進歩している技術や知識を得るために学会や研究会へも積極的に参加して、常に先端の情報収集に努めております。 そして、患者様からお預かりした大切な卵子や精子、胚を高いレベルの技術でできる限りダメージを与えないよう心がけて管理しております。
高度な設備機器による、ベストな環境づくりを行っています。
KLCの培養室は室内空調および培養器内に活性炭フィルターと高精度ヘパフィルターを設置しており、このクリーンな環境の中で培養のあらゆる作業が行われます。そして適温を維持し、照明 を調節することで胚へのストレスを最小限に抑えた環境下で体外受精を行っています。さらには緊急時に備えて非常用24時間発電装置を設置し、停電時 にも最適な環境が守れるバックアップ体制の強化と精度管理に努めています。また23台の培養器を用いて個別培養を行っており、これにより培養中の胚へのダメージを少しでも抑えられるよう工夫しております。
二重三重のチェック体制で、安全性を追求しています。
検体の取り違えを防止する安全対策としては、採卵から移植までのすべての工程を必ず2名のエンブリオロジストによるダブルチェックを必須としております。使用する器具など患者様によって名前の記入をそれぞれ色分けするなど精子・胚の取り違えの防止に努め、胚移植の際も担当のエンブリオロジストと医師、ナースによる二重三重のチェック体制で行われています。
患者様が安心して体外受精を受けられ多くの方に赤ちゃんが授かりますように、KLCでは今後も培養室の精度管理、技術の向上に努めてまいります。
KLCは、下記臨床に関する実施の登録医院です。
- 体外受精・胚移植およびGIFTの臨床実施に関する登録
- ヒト胚および卵の凍結保存と移植に関する登録
- 顕微授精の臨床実施に関する登録
日本産科婦人科学会への報告実施と個人情報について
- KLCは、生殖補助医療実施施設として日本産科婦人科学会に登録しています。
- 日本産科婦人科学会では、生殖補助医療を受けた方について報告することが義務づけられており、KLCで生殖補助医療を受けた方についても症例報告をさせていただいています。
その際、個人情報につきましては、十分な配慮(個人が特定されるデータとしないなど)をし、不正な目的での使用がないことをお約束します。