人工授精ARTIFICIAL INSEMINATION

人工授精 (AIH) とは?

卵子と精子が出会い、受精する。この確率を高める治療法です。
一般に、タイミング療法で妊娠しなかったときの次のステップとして位置づけられています。
人工授精という名前から非常に特別な治療のように感じますが、実際にはほんの少し妊娠の入口をお手伝いするだけ。
具体的には、細い管を使って子宮頸管をバイパスし、事前に採取しておいた精子を子宮の奥深くに注入します。
その後の受精・着床は、自然妊娠と同じです。
1回の人工授精で妊娠する方もいますが、数回行う場合もあります。
統計的には、7〜8回目以降はなかなか妊娠することが難しくなるため、
言い換えれば人工授精で妊娠される方は5〜6回の人工授精で妊娠されるため、
それ以降は体外受精へのステップアップを含めたお話しもさせて頂きます。

人工授精の安全性

精液中には精子のほかに白血球、微生物やゴミなどが存在します。
調整や抗生剤内服により母体への感染症などのリスクを減らすなど、安全管理を十分に行って施行しております。
また人工授精による胎児異常発生率は、自然妊娠と同じ確率です。

人工授精が必要な人は?

  • タイミング療法で妊娠しなかった方
  • 男性不妊症の場合
  • フーナーテストの結果から、人工授精が必要と診断された方
  • 性交不能の場合
  • できるだけ早く妊娠したいなど、患者様本人からの希望

人工授精の流れ

診察

生理9~12日目頃に超音波検査・尿検査を行い、排卵日を予想して人工授精の日を決定します。

薬・注射

排卵遅延や排卵障害・周期が安定しない方には排卵誘発剤を使用して卵胞を育てます。
※副作用・・・卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠

採精室の利用

AIHの方の採精室利用は、10:00~16:00までとなります。
採精室ご利用の方は予約時間の1時間位前にご来院ください。

※以下の場合、中止になる事があります。

  • 多胎のリスクが極めて高くなる場合・当日の精子の状態が悪い場合・排卵の時期がずれている場合
  • 同意書をお忘れの場合は中止させて頂きますので、ご注意下さい。

当日の流れ(所要時間三時間程度)

  1. 採精

    予約時間から3時間以内に採精してください。
    蓋をしっかり閉め、アルミホイルに包んでから人肌に温めてお持ちください。

    ※カイロ等で人工的に温めますと精子の数や運動率が低下しますので使用しないでください。
    *凍結精子使用 … 当日、出張等でご主人不在の場合は事前に医師とご相談下さい。

  2. 受付

    予約時間になりましたら診察券、同意書、精液、体温表を5階受付に提出して下さい。

    ※精液をお預かりする際、検体間違いを防ぐため、ご自身でご夫妻の名前を3枚のシールに書いていただいています。
    ※調整に一時間程度かかりますので、外出される方は連絡先を受付スタッフにお伝えください。
    準備ができましたらお電話にてお知らせしますので、クリニックにお戻りください。

  3. AIH

    内診室でご夫婦のお名前を看護師が確認した後、ご本人にも調整後精子の容器に貼ってあるシールが受付時に書いたもので間違いないか確認していただきます。
    エコーで卵胞を確認した後、精液を人工授精用のチューブを使って子宮の奥に注入します。

  4. 安静

    そのまま内診室で5分程お休みいただきます。

  5. 注射
    ・薬

    高温期を良くするためにHCGのお注射を打ちます。
    (安静中に) 感染防止のために抗生剤のお薬をお渡しします。

  6. 診察

    初回の人工授精の方のみ、診察室で医師から説明となります。
    2回目以降の方は、内診室での安静中に医師からの説明があります。

人工授精後

AIH後1回目

排卵の確認のため超音波検査に来院していただきます(任意)。
[人工授精のスケジュール]の用紙で来院方法をご確認ください。

内服薬

必要な方には高温期を良くするために黄体ホルモンのお薬をお渡しすることがあります。

判定

生理が遅れた場合、検査薬で妊娠を確認した 1 週間後にご来院ください。
もし生理が来てしまった場合は医師の指示通りの日程でご来院ください。

人工授精の費用

自費診療は全て税込価格です。
費用は予告なく変更される場合があります。

  • 保険診療適用

    5,460円

  • 自費診療適用

    18,050円

※再診料、超音波検査、注射代、薬代として別途3,000円前後の費用がかかります。

保険適用のために、以下のことをお願いしております。

不妊治療を保険で受けるには、婚姻関係または事実婚であることが条件となり、医療機関での確認が義務付けられました。
確認方法については、《婚姻確認についてのお知らせ》をお読みください。

また、治療計画について患者様とパートナーの方へ説明し、同意をしていただき、治療計画書にご署名頂く必要があります。
次の①②どちらかの方法で、お二人に説明を行います。

医師の指示が出たら

  • パートナーの方と一緒にご来院

  • 患者様のみご来院していただき、診察時、パートナーの方にはビデオ通話※で患者様と一緒に治療計画の説明を聞いていただく。

    ※LINE、Skype、Zoom 等、診察時にオンライン可能なもの

ビデオ通話の際には

  • パートナーの方とオンラインでビデオ通話ができる状態にして診察をお待ちください。(患者様ご自身の端末をご利用いただきます)
  • パートナーの方は運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書をご用意下さい。